増田治療室

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2025-12-24 19:12:00

感情の正体と向き合い方 ポリヴェーガル理論・心理カウンセリングとの比較から

 

こんにちは、増田です。

今日は、感情との向き合い方についてお話しします。

 

私たちは、日々様々な感情と一緒に生きています。

 

うれしい、悲しい、悔しい、不安、緊張、苛立ち。

どの感情も、その瞬間に立ち上がり

その時の体や心の状態を教えてくれます。

 

けれど、時々感情はあまりにも大きく膨らみ、私たちの体や思考を圧倒してしまうことがあります。

 

 

「なぜこんなに不安になるんだろう」

「過ぎたことなのに、思い出すと苦しくなる」

「同じパターンで悩んでしまう」

 

 

そうした感情の扱い方について、

今日は体の仕組みの視点からお話ししてみたいと思います。

 

 

 

感情は、心の問題だけではなく、情報処理の働きでもある

 

 

まず、初めにお伝えしたいのは、感情は心だけで生まれているわけではない、ということです。

 

感情は、脳が周りの状況を「どう受け取ったか」

 

その情報処理の働きの中で生まれていきます。

 

例えば、

 

・脳が危険だと判断した時

・過去の記憶と今の状況が重なった時

・処理しきれない量の情報を受け取った時

 

そんな場面では、身体や心は私たちを守るために

「不安」「緊張」「苛立ち」といった信号を出します。

 

 

つまり、感情は問題そのものではなく

「今は、何かが処理しきれません」という体からの合図でもあるのです。

 

 

ポリヴェーガル理論からみた感情の理解

安全か、危険か、のセンサーとしての情動

 

ポリヴェーガル理論とは、感情の成り立ちについて教えてくれる有名な理論です。

 

最近では、治療家ではなく、カウンセリングなどをしている方の中にも自律神経についての学び、として実際はポリヴェーガル理論を学んでいる方もいます。

 

 

この理論では、私たちの体は

 

・安全

・危険

・凍結

 

の三つの状態のどれかにあり、その切り替えを担うのが迷走神経だと考えられています。

 

 

・安全が感じられる時(自律神経のバランスが取れている時)

→体が落ち着き、自然に人とつながれる

 

・危険を感じる時(交感神経が優位)

→不安や焦り、怒りが出やすくなる

 

・圧倒された時(背側迷走神経が優位)

→体が固まり、感情を感じにくくなる

 

 

この視点は、「今、自分がどんな状態にいるのか」を理解する手助けにもなり、とても役立つものです。

 

ただし、ポリヴェーガル理論は、「体がどんな反応をしているか」を教えてくれても、

 

なぜその反応が何度も起きるのか?

 

その奥にどんな情報処理の行き詰まりがあるのか?

 

までは説明できません。

 

 

ここが、従来の理論では触れられなかった部分です。

 

 

心理カウンセリングとの違い

〜感情の話を聴く、だけでは扱いきれないものがある〜

 

心理カウンセリングでは、感情を言葉にして話、整理していくプロセスが中心になります。

 

これは、とても大切な作業です。

 

ですが、心の中には「言葉にできる感情」と「言葉にできない感情」があり、

 

後者は体や神経の深いところに結びついていることがよくあります。

 

例えば、

 

・昔感じた小さな恐怖

・誰にも言えなかった寂しさ

・理由はわからないけど体が緊張してしまう感覚

 

これらは、「心の奥」というより、脳が処理しきれずに「凍ったまま残っている情報」と考えた方が理解しやすいのです。

 

ですから、話すだけでは変わらない感情もあります。

 

それは、「心が弱いから」でも「努力が足りないから」でもなく、ただシンプルに脳の処理能力が追いついていない状態です。

 

この視点は、多くの方を原因不明な苦しみから解放してくれる本質的な理解になると思います。

 

 

増田治療室における感情を見る、ということ

それは、体、脳、記憶、空間情報ほ総合的な信号

 

私たちが扱っている「生命場神経統合理論」では、感情は一つの臓器や脳のどこかだけで作られるものではなく、

 

身体の地図、空間の認識、記憶、そして今の状況が全て絡み合った、総合的な情報の結果と考えています。

 

感情が大きく揺れる時、そこには必ず

 

・凍結したままの記憶

・うまく統合されなかった情報

・身体の地図のズレ

・空間の捉え方の偏り

 

が存在しています。

 

だから、感情にアプローチする時、心だけではなく、「身体」「脳の処理の仕方」も一緒に扱う必要があります。

 

ここが従来の一般的なアプローチとの最も大きな違いです。

 

 

 

感情は変えられる

〜それは、記憶と体の反応が整うときに起こる〜

 

生命場神経統合理論の視点では、感情は「消す」ものではありません。

 

そうではなく、「再処理され、再び流れるようになるもの」です。

 

・凍っていた記憶が動き始める

・体の過剰な反応が静まる

・空間の感じ方が変わる

・過去の意味づけが変化する

 

こうした変化が起こると、同じ出来事を思い出しても、体はもう以前のように反応しません。

 

まるで、古いデータが整理され、軽くなっていく。

 

そんなイメージです。

 

 

最後に:感情はあなたの敵ではなく、大切なサインです

 

どんな感情が湧いてきても、それはあなたの弱さではありません。

 

感情は、「あなたの体と脳が今必要としていることを、静かに教えてくれているサイン」です。

 

もしその感情が一人では扱いきれないほど大きいなら、そこには「まだ処理しきれない情報」が眠っているだけ。

 

適切な方法でその凍結を解いていけば、感情は自然に姿を変え、あなたの力へと変わっていきいます。

 

必要なのは、心や自分を責めることではなく、体と脳の働きを理解し、優しく整えていくこと。

 

そのお手伝いができたら嬉しく思います。

 

 

生命場神経統合理論とは?

増田武史が解剖学、生理学、機能神経学、プロセスワーク、家族療法などの理論と累積4万件以上の症例検討から導き出したオリジナルの理論です。