増田治療室

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2020-03-17 11:11:00

産後の腹直筋離開

こんにちは。

院長の増田です。

 

 

今日は、産後の体のケアについてお話しします。

 

先日、出産後に「腹直筋離開」と言われた患者さんが来院されました。
腹直筋離開という言葉は、あまり聞いたことがないかもしれません。

腹直筋離開とは、

左右に割れた腹筋の真ん中に、白線という つなぎ目の部分があります。
その部分が大きく左右に引き延ばされ、開いてしまうことを言います。

妊娠中は、リラキシンというホルモンが分泌され、腹部が引き延ばされやすくなります。さらに、胎児の成長とともにお腹は大きくなり、白線は引き延ばされます。

通常であれば、産後の体は少しずつ産前の体へ戻っていき、数ヶ月するころには、お腹に力も入るようになり、体のラインも本来の形に戻っていきます。

しかし、腹直筋が大きく引き延ばされたまま戻らない場合があります。これを腹直筋離開といいます。


腹直筋が離開するとどうなるのか?というと、

お腹を引き締める事が出来なくなるので、体幹が不安定になります。

体幹不安定から来る症状は、

 

・腰痛

・お尻の痛み

・肩こり、頭痛

・疲れやすい、だるい

・力が入りにくい

・イライラする

・不安になる

etc

多岐にわたります。



腹直筋離開の確認の方法は?

1・仰向けに寝て膝を立てる
2・おへそを見るように頭を上げる
3・おへその下あたりを触ってみる
4・筋肉が左右に分かれて真ん中に柔らかい部分があり、そこに触れた指が2本以上入りそうなら、腹直筋離開と考えられます。


腹直筋離開の治し方は?

エクササイズが基本ですが、腹筋はNGです。
大きく動かす運動は、腹直筋離開を悪化させる可能性があります。

ドローインを初めとするお腹を引き締めるような呼吸法がオススメです。



産後の調整に関して、以下の症状が当てはまる方には、治療をオススメしています。

腹直筋離開や骨盤の歪みと関連する症状
・腹筋に力が入らない
・何をしても疲れてしまう
・常にだるい
・朝起きられない
・腹筋に触れると穴が開いているような部分がある
・だっこをしているとすぐに腕が疲れてしまう
・体の節々が痛い
・立ったり座ったり、動くのが辛い
・病院や助産院などから指示された体操をしても治らない
・力の入れ方がわからない
・おへそが横に開いている


産後の骨盤の歪みが関連する症状
・座っていてお尻が痛い
・足を崩さないと座れない
・片側でしか抱っこできない
・膝や足が痛い、疲れやすい
・尿漏れ


実際の治療は、どんなことをするのか?というと、

 

骨盤の歪みの原因となっている問題を、検査、治療します。


出産時の歪みの原因には、出産時の骨盤の歪みだけではなく、ぐっと痛みをこらえて噛みしめたことで起こる顎の歪みや、眼をぎゅっとつぶり続けた事による眉間の緊張、力みから来る肩や首の緊張、なども関係しています。

産前からの歪みの原因には、体の使い方(座り方の癖、立ち方の癖、寝方の癖)や、骨盤内の癒着、胎児の圧力が関連する骨盤や肋骨の歪み、などがあります。

骨盤はもちろんですが、首や眼、顎の緊張は、全身症状と関係しているので、精密な検査が必要です。


腹直筋離開の治療は、骨盤や、肋骨の歪みを整えること。

加えて、離開部分を圧着しながら、腹部の筋肉と骨盤~下肢の筋肉を連動して使えるようにリハビリを行います。

骨盤の歪みは、腹筋に力が入りにくくなる原因になるので先に治療し、その後リハビリになります。

治療後は、体幹が安定し、座ったり立ったりが楽になり、疲れにくくなります。


治療の回数は?

離開の程度や、骨盤の歪み、その他の合併症状の有無にもよりますが、3回~5回で卒業になる方がほとんどです。

 

 

産後に腹直筋が離開したままの方は、力が入りづらい中、育児や家事に取り組んでいるため、産後の不調が少ない無い方に比べて、大きく疲労しています。
ですが、「産後の不調はこんなもの。」と思いがちです。

 

今回、来院された患者様も、一人目を出産した時から腹直筋が離開し、その状態で家事、育児をしながら、2人目を出産された後、どこに行っても治らないというご相談で、来院されました。

 

僕は、出産したことがないので、その大変さを、リアルに感じられるか?といえば、わからないことの方が多いですが、これまでたくさんの人の体をみさせてもらってきて、思ったことは、

改めて、女性ってすごい力を秘めているんだな、と感じました。よく今まで、この状態で頑張ってこられたなと、本当に頭がさがる思いです。

 

腹直筋離開と言われても、何が問題で、どうしたら良いのか、わからない方も多いと思います。

治療をすることで、体が楽になると、気持ちも少し楽になったりします。

そうでなくとも、体力勝負の家事・育児ですから、赤ちゃんのためにも、自分のためにも、何か不調を感じる時には、体の調整をしてあげてください。

 

海外では、出産直後から、赤ちゃんやお母さんへの治療が行われているところもあるそうです。

日本では、医療機関内で治療家がサポートするという施設は、ほとんど無いですが、一部の医師、助産師の方が徒手療法を学び、実践されてるようです。

 

もっと、このようなサポートが当たり前になっていくと良いな、と思っています。

 

2020-03-05 23:51:00

夫が思い通りに動かない主婦になったつもりで書いてみました。

院長の増田です。

90分コースで扱う内容は、多岐に渡りますが、例えばこんなこと・・・

 

「夫が思い通りに動かなくて、イライラしてしまう」 という状況を例に、主婦の気持ちを想像して書いてみました。

 

・・・

 

夫がちょっとしたことをイチイチ指摘してくる、苛立つことばかり言ってくる。

あれやってないね。とか、あれどうなった?とか。

言われると腹が立つような、細かいことばかり。


普段まったく鈍感で気にしないのに、昨日に限って、ゴミの日だってことに気がついて、「なんで今日、ゴミまとめてないの?」なんて言われる。


イラッとしたので、「こっちは家事から子供のことから、色々忙しいんだよ! やりたいけど、出来なかったんだよ!

そんなこと言うならお前がやれ!  家事なんてほぼ、見てるだけなのに、ちょっと手を抜いたときに、指摘してくるな!」

と言ってやった。


なんなら、過去にさかのぼって、家事をやらないことや、子育てに非協力的なこと、仕事だけして家のことを考えてないこと、実家の両親の間に入ってサポートすることも無く、ほったらかしなこと。いろいろ言いたいことは山ほどある。

そして、夫が自分自身のことはしっかりやってるか?と言ったら、そういうわけでもない。

たいして顔も稼ぎも良くないくせに、でかいことばかり言って、「俺の稼ぎで食ってる。」だ? それをとったらお前はただのカスなんだよ! 

そもそも、夫の稼ぎが少ないから、私が子供抱えて働いてんだろうが! 取り替えたい浄水器も、汚れたカーペットもそのままなんだろうが! 

買えば良いだって? 子供の学費も家のローンもあって、こっちはギリギリでやりくりしてるんだよ!

言いたいことは、言い出せばキリがない。本当なら、もっと言っているところだけど、そんなに言い過ぎても悪いかな、と思って、目をつむった。


はずだった。
夫の、次の一言が出るまでは。

 



次の一言は、「昨日、ゴミ出し、俺がやったし。」だった。


私は、ついにキレた。


たまたま家を出るときに、玄関に置いてあったゴミを「移動させた」のを、「俺がやった。」だって?
飼い犬の餌も「俺がやった。」だって?

ふざけんな、お前がやったことの何十倍の仕事をこっちは抱えてんだよ!ぼけ!

偉そうにしてないで床でも拭け、このカス!

そもそも、そのゴミも分別したのは、私なんだよ!お前が不燃ゴミも、可燃ゴミもわからず一緒にゴミ箱に突っ込んだものを、時間かけて分別してんだよ!

いつになったら、さけるチーズがプラゴミだってわかるんだよ、ボケ!

どっちでも燃えるから気にしない!?

お前は気にしなくても、町内会の人が気にするんだよ!隣の家の人だって気にするんだよ!

なんなら回収しないパターンだってあるんだよ!

やったことも無いくせに、でかいこと言うんじゃねええええええ!!


そもそも飼い犬もお前が飼うって言ったんだよ!本来餌を毎日やるのもお前だし、病院に連れてくのも、お風呂もドライヤーも、お前の仕事なんだよ!

餌代も病院代もトリマー代も、お前の小遣いからやるもんなんだよ!

会社の飲み会に参加できないとか、関係ねえんだよ!子供の教育にいいってお前が言ったけどな!

子供が動物アレルギーだってわかって、結局触れねえんだよ!お前のせいで、やることなすこと、全部うまくいかねえええええええんだよおおおお!!!




こんな話が、世の中には意外とたくさんある。
読んでスッキリする人がいるとしたら、きっと同じような悩みを抱えたことがある人だろう。



そんな夫婦の関係性で生活していると、次第に日々の表情は険しくなり、笑顔を忘れ、笑うのは子供を見るときだけ。

夫を同じ人間だとは思えなくなる。


そしていつしか、夫をゴミのように扱う。良心がある人は、不満を抱えながらも人として扱う。

扱いはゴミでも人でも、腹が立つことはあるから、その時はご飯をほったらかして出かけたり、へそくりで買い物したり、ちょっとした嫌がらせをして憂さ晴らしをしている。



この話には続きがある。



そんな日々がもう20年続いている。
20年経って、心を凍らせるのは得意になった。女として、ちやほやされる時期はとっくに終わってしまった。

肩は凝るし、腰も痛い。
趣味も無い。

いつか、白馬の王子様が現れて、私をさらっていってはくれないだろうか。などと夢を見ることも無くなった。


救いは子供だけ、だったのに、大きくなってからは、子供にかまうほど、避けられるようになった。

私は、いったい、この結婚生活で、何をしたかったのだろうか。

 

 

・・・


不平不満、愚痴で頭の中をいっぱいにして、家族のために、いろんなことを我慢し続けた先の未来に、ある日突然、急展開して幸せが待っている、なんて話は、聞いたことが無い。

どうしたら、この無限ループから抜け出して、当たり前の日常の中に、幸せを感じることができるだろうか?

 

 

・・・

 

 

不平不満や愚痴、人を責める気持ちが頭に浮かぶ人は、実は、とっても頑張っている人。

頑張っているのに、自分を認めていない人。


不平不満の出所が、実は自分にあるんだ、ということを理解して、今まで自分自身がよく頑張ってきたんだ、ということをしっかり認めて、私はよくやってきたなぁ、と心の底から思えるようになると、途端に周囲の人が優しくなる。


悪気無く、心を串刺しにし続けてきた、パートナーからの攻撃がピタッとやみ、サポートしてくれるようになる。

素直な思いを表現してくれるようになる。

 

 

・・・

 

 

自分に対する、周りの人からの態度は、実は、自分が自分にしている態度と同じだったりする。

だから、まず一番に見てあげるのは、自分の中。

そんな風にして、自分の内面に目をむけていくと、無意識に持っている暗黙のルールに気づくことがある。

 

たとえば、頑張ってきたことを「認められない」人によくあるのは、

 

これくらい出来て当たり前、とか

妻として、◯◯しなければいけない、とか

何か条件を満たさないと、自分には価値がない、とか・・・

 

大抵は、両親の生き方に関連した、「~ねばならない。」という思い込みが、邪魔をしている。


上の夫婦の会話の例で考えてみると、

女は◯◯しなければならない、完璧に家事が出来て当たり前、という思い込みを持っている妻が、それを果たせない自分は価値がない、と思い込んでいる。

実際は、毎日本当によくがんばっているのに、その頑張りを認めない、という妻自身に対する態度が、そのまま夫からの妻への態度として表現されている。

妻が、自分の内面に目を向けて、「私って、本当によく頑張っているわね。いつも、ありがとう。愛しています。」と、頑張りを認めて欲しい自分に気づいて、しっかりその自分を見て、抱きしめてあげると、自然と周りの人からも大切にされるようになる。

 

そして、無意識に刷り込まれた「〜ねばならない」を、一つ手放して、「何も完璧にできなくても、十分に夫から愛される私」を許可できると、夫はいつだって気持ちよく助けてくれるし、

感謝や労いの言葉、表現も出てくるようになる。

 

自分とのパートナーシップが、うまくいくと、目の前のパートナーや家族との関係も、もっと上手くいく。

いつだって、幸せの鍵は、自分が持っている。


自分を大切に。
自分に優しくなれると、頑張っている自分も、苦しんでいる自分も、見える。努力してきた自分も見える。どうにもならなくなって、絶望していた自分も。

どんな自分も、許せる。愛せる。


そうすると、感情はやわらかく、穏やかになる。

 

ひとつ、気づくたびに、どんどん自由になっていく。

世界は、いつもやさしい。

 

そんなことに気づいていくのが、90分コースの醍醐味の一つです。

2020-01-16 23:50:00

育児の本

院長の増田です。


今日は本の紹介です。

一般的な育児の本とはちょっと違って、昭和の整体師、野口晴哉著の「育児の本」
昭和44年が初版のかなり昔の本です。

ですが、内容は現在の育児の本よりも、とても感覚的な内容で、当時としては画期的なものでした。

これは、序文にある野口晴哉の言葉です、

この書は、今から10年前の記録をまとめたものである。~
もっとも良かったと思うことは、胎児の話しかけということであった。逆子の時など「オイ、君、それは逆さだよ。」と話しかけるとグルリと廻る。時には鈍い子もいたが、大部分はそれだけで正位になった。~
百人を超した頃には、鈍いのは子では無く母体だと言うことも判った。~


大分省略しましたが、
体の感覚に対して言葉や、感覚で働きかけることだけで、ほとんどの問題が無くなってしまうのです。


実際、僕自身も、
子供に限らず、患者さんでも、触れながら体に対して問いを出すと、答えが反応として帰ってきます。

いいのか、だめなのか、待つことが必要なのか、それとも問題と思っていること自体が的外れなのか。

鈍い人はわかりません。
感覚の鋭い方は、ご自身でも体の反応に気がついています。

それでも、自分の体との付き合いが長くなってきて、食べ物や運動、体の欲求に 「耳を傾ける生活」 が当たり前になってくると、だんだんと繊細に感じられるようになってきます。

(自分のしたいこと、表現したい感情、動かしたい体の部分、等)

 

実際、僕が柔道整復師になった当初は、患者さんの体を触っても、どこに硬結があるのか?わからない、という状態からのスタートでしたが、ひたすら毎日、自分の体と向き合い、対話し、患者さんの体と向き合い、対話し、勉強し、実践し、検証し続けてきた結果、今は随分とたくさんのことが、分かるようになってきました。

 



我が家でも、子育てが始まり、妊娠中から赤ちゃんの状態に気を配り、話しかけ続けてきました。

結果、生まれた今、周りの同じ月齢の子と比べても驚くほど意思表示がはっきりとわかりやすく、情緒の安定した子になっているようです。

 


産前の治療、産後の治療もしていたことも理由の一つですが、もっとも大切なのは、コミュニケーションをとり続けていることなのだろうと思うのです。

このコミュニケーションは、他人とのコミュニケーションはもとより、自分の感覚とのコミュニケーションも含みます。

あれが食べたい、あれがしたい、なんだかスッキリしない、あれはやりたくない、等。



ある日のこと、泣き止まない我が子に困り、何故泣いているかを考えていて、子供には理由がなさそうで、

自分の状態、妻の状態をチェックしたところ、夫婦でバランスを崩していた事に気がつきました。

その前に、難しい患者さんと話をしたことが原因でした。

崩れていたバランスを治療すると、すっと子供が泣き止みました。

 


親の不調に反応して、子供が泣いていたのでした。


こんな事が、たびたび起こります。
大抵は、親自身の問題を子供が伝えてくれているのです。


子供との関わりの中で、より多くのことに気がつき、伝えられるように、そして、より子供の伝えてくれるメッセージを受け取れるように、もっと繊細に、注意深く、やさしくなれたら、と日々思っています。

 


課題は山積みです。


目の前で、すやすやと気持ちよさそうに眠る我が子の顔を見て、こんな表情でいつも過ごせるように、家族の健康に、もっと繊細に関わろうと思うのでした。

 

 

また気づいたことがあったら、シェアします。

2020-01-08 23:48:00

鍵を開けるのは、誰?

院長の増田です。

 

♪ちいさなものからおおきなものまで、動かすチカラだヤンマーディーゼルー。

という歌を思い出しています。

 

子供のころ、夕方のTV番組で、ソーセージおじさんの歌のあとに流れていた、
「ヤン坊マー坊天気予報」の歌だったと記憶しています。



さて、  小さなもの  と言うと、

人間の細胞や、組織。
さらに小さい物は、分子、原始、素粒子。

大きなものというと、
世界、地球、宇宙。


それを動かす力である ヤンマーディーゼル。


僕は、ヤンマーディーゼルを求めて、 日々学んでいます。


小さな力、大きな力、重力、電磁気力、が この物理世界に働く「4つの力」です。

それぞれの力には、相互作用があって、

強い相互作用は、遠くには届かないけれど、とっても強い力が働く。
重力相互作用は、どこまでも遠くに届くけど、とっても弱い。

その間には、素粒子が働いていて、相互に力を及ぼし合っています。


さて、人 と 人を 引きつける力はなんでしょう?
そして、人を近づけない、 遠ざけてしまう 力 はなんでしょう?


いっしょにいて、 不快 を感じさせる力は?
いっしょにいて、 心地よさ を感じさせる力は?


そこには、目に見えないけれど、確実に働いている「何か」の作用があります。


病 を引き寄せる力はなんでしょう?
健康 を引き寄せる力は何でしょう?
幸福 を引き寄せる力は何でしょう?
本質 を引き寄せる力は何でしょう?


物理的な法則から考えると、

「なにか」を引き寄せているとき、そこには、必ず引き寄せ合う物質があります。


自分が望まない物を引き寄せているとき、必ず引き寄せている自分がいます。


「無意識の望み」が、そこにあります。

 

・・・

 


Aさんの話です。
90分コースのカウンセリングの中でしている、今まで気がつかなかった 「過去の思い」 に 気がつくワークをしているときに出てきたものです。


出てきた思いは、昔、母の厳しい教えに対して、我慢し、努力し続けた時の思いでした。


Aさんは、母に対しての「恨み」の感情や、「諦め」の感情を自覚していました。
しかし、そこにかけた過去の自分の努力や、真剣に応えようとした思いは、忘れ去られていたのです。

頑張って、頑張って、打ちのめされても、まだ頑張り続けた、忘れられた「努力家」の自分。

どれほど、努力しても、怒鳴られ、しかられても、それでも母の教えに対し、応えようとし続けた自分を思い出したとき、


「心底、自分はとても良く頑張った。まだ幼かった自分が、母の思いに応えようと、これ以上無いほど努力していた。」

と、過去の思いを思い出し、涙を流しました。


必死で応えようとしていた、幼心の少女は、
何年も努力し続けたにもかかわらず、母の態度は変わらず、最後には、期待に応えることを諦め、母に対して恨みを口にするようになったのでした。


そこから時が流れ・・・


当時の、まっすぐで、真面目で、努力家の少女は、忘れ去られ。


矛盾した感情を持つ大人に対して、ひねくれた、投げやりの、恨み言を言う、成熟した自己否定的な女性へと変わったのです。


忘れ去られた 幼い心の傷が消えることはありません。
必ず、体のどこかに記憶として、残っています。
まるで、過去に深く切りつけられた傷跡のように、体をゆがめ、緊張させています。


その傷は、過去の自分の苦しみを現実へと投影します。

諦めと恨みの根源のような存在が、何度でも目の前に表れ、心を揺さぶってきます。

そして、自分自身が、過去にどれほど努力して、努力して、努力して、懸命に頑張っていたか。

そのことを思いだし、その時の自分に感謝出来るまで、何度でも、何度でも、同じような現象を現実に作り出し、「自分の素晴らしさに気づいて〜!」と、ひたすら伝え続けるのです。



母を喜ばせたい、という、ピュアな心を責めた自分。
自分の努力を、「無意味だ」と、否定した自分。

そんな自分がいる限り、世界は、自己を否定する出来事を、何度でもプレゼントしてくれるようです。

純粋な思いを持ったまま、忘れ去られた自分。

そんな自分を見つけて、救い出すまで。



Aさんは、このワークをした直後から、

関わるのが苦手だった人が急に優しくなったと言います。
今まで近くにいるだけで不快だったのが、嘘のように快適になったと。

 


世界は、いつもやさしい。

 

 


いつ、どの瞬間からだって、変えられる。変われる。
気づけば変わる、思い出せば変わる、一歩踏み出せば変わる、一歩下がれば変わる、時が経てば変わる。
もっと、もっと、もっと。

 

 

ただ、見て、気づくだけ。

しっかり、味わうだけ。

深く。深く。深く。

 



自分を大切にすること。
=人を大切にすること。
自分を幸せにすること。
=人を幸せにすること。

 


喜びが調和して、連鎖的に広がっていく。


僕を中心に始まる愛の物語がある。


今年も、僕の持てる力全てを、自分と、家族と、大切な友人と、関わる全ての人たちの中にある、幼心の君に届けます。


自分と深く繋がるほど、世界は透き通って鮮やかに見える。


2020年は、自分を開き、外へ表現する一年に。

2019-12-31 23:47:00

子供の課題、親の課題

90分コースの中で取り組んでいくことのひとつに、親との関係性に関する課題があります。
感情トラブルの根底にある物は、ほとんどが両親との関係性から来ているものです。


感情に囚われたとき、人は冷静さを失います。
よく考えれば、相手も自分も傷つかない方法があるはずなのに、「あえて」双方が傷つくような方法を選択します。

攻撃的になったり、自分を責めたり。

結果、自己嫌悪に陥り、疲弊して、また更なる悪循環に入っていきます。


自分の内面をよく見て、感情のワークに取り組むと、だんだんと感情的になることが減って、穏やかな気持ちで目の前の問題に向き合うことが出来るようになります。

 

同じような何かの出来事に遭遇しても、感情が動かずに、冷静に穏やかに見られるようになったら、その部分は課題をクリアして、「癒された」という目安になります。

 

 

こういった課題に取り組むかどうかは、個人の自由で、もちろん取り組まずに日常を過ごすことも出来ます。


感情的になるような場面や人を、できるだけ避けたり、

見て見ぬ振りをして、内心は感情が反応している自分を押し殺したり、

ほかの何かに没頭してみるとか、対処の仕方は沢山あって。



でもそれは、問題を根本解決する行動では無くて、人生において、何かの 「選択」 の仕方や、「行動の自由度」は下がります。

しかし、感情的になって、相手と自分を傷つけることはせずにすみます。


さて、この手をつけずに放置した課題がどこへ行くのか?というと、子供が変わりに同じ課題に向き合うことが多いようです。

実際に、90分コースで取り組んでいる患者さんを見ても、これまで関わってきた様々なケースを振り返ってみても、

だいたい3世代に渡って同じテーマを相続していることがほとんどです。

3世代より前のことは、話を実際に聞く機会がないので、確認するのが難しいけど、実際は3世代より前から、ずっと続いてきた課題なのかもしれません。

 



結局、両親が放置した手つかずの感情トラブルは、成長の過程で子供が学習(無意識の姿勢と行動のパターンや、言葉の主観的意味、等)し、学校や社会の中で向き合う場面と遭遇するのです。


このとき困るのは、同じ課題を後回しにしていた親です。

 


自分自身が解決していない、やり残した課題(子供が家庭に持ち帰る問題)を突きつけられると、解決方法を見つけられない親は、感情的になり、子供に苛立ちをぶつけます。


それは、大きいものでは、「なぜ生きるのか?」と言う問いだったり、
より現実的な部分では、仕事や恋愛の悩みだったり、

人間関係だったり。


子供に対して感情的になるのが、当たり前のように思う人もいるかもしれませんが、

本当に相手の未来のことを真剣に考えた行動は、感情的になってぶつかることでしょうか?


理屈で言えば、もっと良いやり方があることもわかっているのに、どうしても理性的な行動がとれない。


そこに、自分自身の課題が残っています。


感情は、自分の本質に近づくための、大切な鍵になります。


目の前の事を一つずつ見ていくと、自分の本当の気持ちにたどり着きます。
それは、親の親の世代から続く、先祖代々のパターンを理解する助けになるのです。

 

 

理解すれば、対処もできるし、その課題を終えることができます。

そういうふうにして、1つずつ、自由になっていく。

 

 

実際にやることは、とても地味で現実的なことですが、無意識のパターンを抜け出した時の開放感や、現実面での変化は、本当に素晴らしいです。

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